インフォームドコンセントとは、説明と同意という意味です。
医師が患者に病状や治療の説明をし、それに対してどのような治療、又は手術をすることが望ましいのか情報を提供し、患者が理解をして納得した上で病気と向かい合うことが、望ましいという考え方が一般的になってきました。
以前は患者に詳しい治療法、たとえば、薬の投与のやり方や手術の過程、その後の副作用など、理解ができないであろうと知らされない現状がありました。
しかし、一般の人たちが情報社会に伴い、知識が得られるようになったり、自分の体は自分で治療方法を選択して治していくという意識が出てきました。そこで、すでにアメリカで浸透していたインフォームドコンセントが日本でも一般的になってきたのです。
そこで、どのようなことを注意し、質問をすればよいのか考えてみたいと思います。
1)どのような病気にかかってしまったのか。原因、なにもしなければどのように進行するのか、その期間はどのくらいなのか。
2)病気を治す、進行をくい止めるにはどのような治療が必要なのか。
薬、放射線、点滴、移植、輸血などが必要な場合、なぜそれらをやらなければならないのか。
また、それによってどのような副作用があるのか。又は、危険はないのか。
3)今までの担当医、病院の治療成績はどのような状況なのか。
4)全国的なデーターは、どのような状況なのか。
とりあえず、最低限これぐらいの情報は把握しておくべきではないかと考えます。そして、医師の説明に対して最終的には、両親が選択をして決断していかなければなりません。
正直なところ、素人がなにを根拠に決めればよいのか誰もが苦しむことだと思います。しかし、逃げるわけには行きません。医師の説明を納得できるまで聞き、同じ病気の経験者の人、あるいは同じ病棟にいる人たちから情報を集めて、お父さん、お母さん、そのほかの家族の人たちとよく相談をし子どものために一番だと思える治療が、最善の方法なのだと思います。
しかし、医師も忙しく、こちらが聞きたいときにいつでも呼び止めてというわけには行きません。聞きたいことをメモにしておいて、医師の都合のよい時間などを確かめておきましょう。看護婦さんに先生の都合を聞いてもいいと思います。そして、医師も人間です。あまりこちらが、感情的になったりすることも医師との関係の妨げになることもあると、心に留めておく必要があります。
このインフォームドコンセントを受けることによって、患者や家族も責任の一端を担うことになります。
治療を他人まかせにするのではなく、何をしなければいけないのか、医療スタッフと一緒に考えてコンセンサスをとっていきましょう。
そして、患者にとってのベストと考えうる方法が決まったら、力を合わせて治療に向かって行きましょう。
|