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ある患者家族のコラム(経験談)


コラム1■ドナーさんのこと
コラム2■アンパンマンとばいきんまん
コラム3■移植後の生活



コラム1■ドナーさんのこと

移植を受けるためには、HLAの合うドナーが必要です。兄妹間で合えばそれが一番ですが、80%以上の方は、バンクで探されるとのこと。

ドナー登録をして下さっている方は、国内で10万人以上いらっしゃいます。90%の患者はバンクの中でドナーを見つけることができるようです。

ドナーの方は、まず登録時に指定の場所まで出向いて、採血をします。そして、一次検査では再度採血のため平日の時間をさいて病院に来ていただきます。

そして、5座一致すれば、本人はもとより家族の同意ももらって、骨髄摂取ができるか健康診断をしてもらいます。

そして、患者の病状や無菌室の空きに合わせて、仕事を休んでいただき5日間も入院し骨髄を摂取していただきます。この間の休業保証はもちろん病院までの交通費すら支給されません。ドナーさんは、見ず知らずの患者さんの命を救うためまったくのボランティアで骨髄を提供して下さるのです。

そんな温かな思いやりのある方がたくさんいらっしゃることを感謝したいですね。子どもたちは、厳しい治療を受け、切ない思いでいっぱいですが、たくさんの方が私たちを応援して下さっているのです。くじけず一歩一歩のりこえていきましょうね。




コラム2■アンパンマンとばいきんまん

たった5歳の子どもに病気の事、移植の事どのように伝えればいいのか、とっても悩みました。

おとなでもなかなか理解できないことを、幼いわが子にどのように伝えればいいのでしょう。

スウェーデンでは、プレイセラピーという専門職があって、人形を使って、子どもたちにわかりやすく病気の事を話してくれるそうです。

また、患者の子どもが先生役になってこれから受ける治療を人形にしてあげたりして、治療を理解させ不安を取り除いてくれるとのこと。
 日本では、働き盛りのおとなの人に対してすら、病気の告知がされなかったりします。

でも、何がどうなっているのか全く知らされないままに苦しい思いや、痛い目にあったりすればとっても不安だし、子どもなら人に対しての信頼感を持てなくなってしまうかもしれません。わが家では、子どもの大好きな アンパンマンをドナーの骨髄にたとえ、体の固くなっているところは、ばいきんまんがばい菌城を作っていると例えて説明しました。

クリーンルームの中でも「今日は、アンパンマンが勝っている」「今日はちょっとばいきんまんがつよいよ」と、体調を伝えてくれました。どんなに幼くっても治療の主人公は患者の子ども本人です。うまく治療の理解ができればいいですね。




コラム3■移植後の生活

移植後、退院してからの生活がどうなるかなんて、移植の前には、なかなか考える余裕もないのが現実です。

しかし、移植がすみ、退院しても、すぐに日常生活に戻れる訳ではありません。免疫抑制剤を飲んでいる間は、白血球の数は普段よりずっと少ないので感染症にかかりやすいでしょう。

また、退院直後は髪の毛もなく、薬の副作用で体毛が濃くなってしまっていて、友だちもびっくりしてしまうかもしれません。

体力も落ちているのでよろよろしていてなんだかたよりないです。子どもでも鬱状態になることもあると聞きました。

また、付き添っていた母親も、家に帰って安心するせいか長い闘病期間、ピンと張りつめていた糸が切れてしまって、軽い鬱症状がでることもあるかもしれません。

闘病中、いろんな人にお世話になってご挨拶などもしなければと思っても、体が思うように動かず電話に出るのもおっくうになってしまったりするかもしれません。

退院すればあれもやろう、これもやろうと考えないでしばらくは、親子ともども、自宅でのんびり療養できればいいですね。長い間がんばったんだもの。疲れていて当たり前、ゆっくり休んだら自然と元気が出てきます。

3ヶ月もすれば、子どもも元気になり、日常生活が取り戻せると思います。あせらずのんびり、がんばりすぎないように。



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